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SEJ 日本のエネルギーを考える会


【要約】フランスは第一次石油危機を契機にエネルギーの自給を目指して原発の導入を図り、電力は原発と水力でほとんど全てを賄っています。エネルギー全体の自給率は50%前後であり今後もこの値を維持します。
ドイツもエネルギー自給を重要視していますが、原発は国際河川に面した内陸に作られており、原発にこれ以上頼れない状況です。メルケル首相の発言では、脱原発は織り込み済みであり、豊富な風力資源が期待できるので2030年頃にはなんとか脱原発を完了して、現状とほぼ同じ40%前後を自給することを目指していると言っています日本は平成22年に策定したエネルギー基本計画では、2030年には原子力の増設と自然エネルギーの大幅導入で現状の18%から36%までの増加を達成し、2000年半ばにはドイツ、フランス並みになる計画でした。ところが、新規増設をしない減原発や原発を止める脱原発が世論を賑わし、いつの間にかコストとかリスクとかベストミックスとか、天然ガス発電などに議論が移り、自給率は忘れられそうな勢いです。
ホルムズ海峡封鎖に続き、インドネシアも原油の輸出を停止すると言っています。天然ガスは石油と連動しています。欧州は問題ないが、日本韓国は大変なことに。原発の再起動を早めないと大変なこになります。危機管理能力はあるのか日本政府????

20号 わが国のエネルギーのこと 


カテゴリ:  エネルギー    2011-12-13 18:34   閲覧 (5104)


【要約】
何を売り物に出来るのかと言えば、国内に天然資源がない我が国では、高度技術で作られた、つまり付加価値の高い工業製品である自動車や、カメラ、精密工作機械、高級電子機器がその役を務めているのである。
では、外貨さえあればエネルギー原料が安くふんだんに入手できると思い込んでいいのだろうか?中進国とも発展途上国とも言われてきた国々、とくに、韓国、中国やインドをはじめとする国々が近年急速に力を伸ばしてきて、我が国の技術を追いかけて来ている。安かろう悪かろうから、安い上に製品の品質は格段に向上しつつあって、日本の産業製品は国際市場において苦戦を強いられている。つまり少々高価だが高品質でやってきた日本製品の先行きは必ずしも明るくはない。
製造業のコストのなかでエネルギー価格は重要である。これらの国々とのエネルギー原料の国際的入手競争は激烈を極めてきている。取り合いの結果、限りある石油やガスなどのエネルギー原料の価格は間違いなく高騰していく。そうなれば、我が国の製造産業は、よりエネルギー価格の安い・・・(M.O. 記)

15号 脱原発をして代替をどうするのか? 


カテゴリ:  エネルギー    2011-10-11 15:10   閲覧 (1869)


【要約】
お天気次第で気まぐれに働く風力・太陽光(利用率の平均値20%を想定)で全発電量の10%の発電量を得るということは、条件の良い時には、風力・太陽光発電容量が電力系統の中で50%以上としなければならない。現状技術では風力・太陽光のような不安定電源を送電系統の中で許容できるのは、高々10%程度と考えられる。50%以上とすることが出来るかどうかは長期的な研究開発課題であり、2020年代初期に答えを出して実現することは不可能と考えられる。
ただし、国としてこのような高い目標を掲げ、研究開発を進めることには意義がある。この目標に挑戦する過程の技術開発状況や経済の状況を踏まえ、柔軟に目標を修正することが現実的である。

原発代替を化石燃料とした場合の課題
この場合、京都議定書の約束は守れないどころか、炭酸ガス排出量は大幅に増加する。
年間何千億円となる排出権料を支払うのか、国際的な約束を破棄して方針を変えて反故にするのかを決めなければならない。
エネルギー資源高騰時には電力料金の大幅高が予測される。これを予測し、企業は生産工場の海外移転を今以上に急速に加速させるであろう。国内産業は空洞化し、失業者が大幅に増加することを覚悟しなければならない。
近い未来に、国際動乱により輸送ルートが断たれた場合、我国経済の根幹が揺らぐことになり、国民生活への影響は計り知れない。

13号 新エネルギーと発送電事業体制の見直しについて


カテゴリ:  エネルギー    2011-9-11 11:50   閲覧 (1649)


【要約】
発送電事業体制分離の目的は?
福島第一原子力発電所の津波による事故を受けて新エネルギーを導入すべきとの声が高まっている。それと並行して、この際、電気事業体制の見直しを行い、発送電事業体制の分離をして新エネルギーによる電気を需要家に容易に届けられるようにすべきだとの意見が出ている。
発送電の事業体制の見直しは、日本経済にとって大きな影響を及ぼすことから、「何のための発送電分離なのか」という目的が重要であることは言うまでもないことである。