朝日新聞（2017 年1 月30 日）は「核燃料サイクル 再処理工場を動かすな」という社説を掲載しました。全く短期的な見方で、我が国のエネルギー確保の本質を見誤っています。
1.2040 年に再エネ100％、脱原子力を目指すとスウェーデンで決定していました。ところが最近、現在運転している10基の原子力炉の運転継続を減税で後押しして、2040 年以降も原子力発電を利用することに政党間で合意しました。
島��前規制委員が法に基づかないで有識者会合を恣意的に組織して、事業者の意見を十分に聞かずに非合理的会議運営を行った。審査の途中で、原電が判断を突き付けられた「悪魔の証明」に関して、如何に規制委員会が矛盾した議論を行ってきたか、について紹介する。
日本の社会では、何か重大な決定を行うとき、「空気」が形成され、それが成長し、人々の自由な言動を金縛りにし、その「空気」によって非合理的な決断がなされてきた。
国際標準に則った効率的で安定した原子力規制行政を確立すべき時である。当初の混乱状態に起因して過剰に振れすぎた規制行政を是正するために、委員長人事を一新すべきである。
委員長は当初、審査期間は半年と言っていたが、最初に合格した川内１・２号基は１４ヶ月掛かった。最初であるから仕方ないにしても、福島第一事故から６年が経とうとしている現在、設置変更許可の審査に合格したのは、まだ１０基、全てＰＷＲである。審査中の炉はまだ１６基もあり、六ケ所再処理工場の審査も進んでいない。これから申請する炉も控えている。審査要員の質量ともに改善し、国際標準に沿った効率的な規制行政を行うべきであろう。委員長の「規制委は再稼働するかどうかについては判断しない」「規制基準の適合性審査であって、安全だとは言わない」との発言を繰り返している姿勢は多くの議論を呼んでしまった。「安全」が「絶対安全」と思われてはならないとの考えであろうが、その為か再稼働差止訴訟では、安全が達成されていないとし運転の差止が承認されたものもある。原子力規制委員会設置法の「第３条 任務」には「原子力利用における安全の確保を図ること」とされている。再稼働するか否かは最終的には事業者が判断するとしても、原子力利用が前提となっている委員会の任務に直接応える姿勢を示す必要があろう。規制委員会の判断は国民をはじめ司法を含む関係者が注視している。国民は技術的な安全性の判断について規制委員会に期待し、委ねているのである事故から間もなく６年が経過する。透明性を欠いた過剰な規制行政から脱却し、国際標準を踏まえた透明性・効率性を高めた規制行政を実施する体制を構築すべき時 だ。
